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秘密のキスは蜜の味【完結】
第25章 俺の前で泣くな!
ほっといて下さい!
なんでいつも、私が弱ってると…こうしてグイグイ心に入ろうとするの?
「なんでこんな日にひとりでいるんだよ」
なんでって……ダメなんですか?一人でいたら
「お前……彼氏はどうした?」
いいじゃないですか、そんなこと……
そんなにじっと見ないでよ!
部長の真剣な眼に吸い込まれそうになっちゃう。
なんでもいいから話を逸らさなきゃ。
「さっ櫻井さんはどうしたんですか?困るんですよ部長が私を追い掛けて来ちゃったら、また私が…」
「…何があった?」
「………べつに…何も//」
「…今日、お前……」
「………誕生日だろ?」
やだ!ほっといて…
「寂しすぎるだろ?誕生日に一人でいたら」ウッ…
やめてよ、泣かないって…決めてたのに
部長の手がゆっくり私に延びてくる……
あっどうせまた私をからかって(かわいそうなヤツ)とか言って髪の毛をグシャグシャってするんでしょ?
そう思ってたのに……
切なそうな顔で優しく髪を撫でるから…
急に胸がドキンってして………
我慢してた涙が零れ落ちた!
「………グスッ」
俯く私に部長はため息をつく。
「はぁ~しょうがね~な、行くぞ」
えっ?グスッ…どこに……ちょっと部長。
部長は私の腕を引っ張って急に歩き出す。
振りほどきたいのに早足で歩くから必死に付いていく…
「ちょっと部長待って」
どこ行くんですか?
「部長……!……待って」
私が大きな声を出すと部長は脚を止めて振り返った。
「俺が祝ってやるよ!………お前の誕生日」
え?……