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秘密のキスは蜜の味【完結】
第25章 俺の前で泣くな!

マンションにもここにもいない
どこいったんだよ。
まさかそのパワースポットに一人で行ったとか…
「洋子さん。その場所はどこにあんの?」
「まさか、これから行く気じゃないでしょうね?」
こっからじゃ電車で2時間近く掛かるらしい。
「いくらなんでも行かないでしょう?」
…そんなとこ一人で行ったら寂しすぎるわよ。
洋子さんは
きっとコンビニでも行ったんじゃないかって。
「近いからほらっ携帯も置いてったとか……鏡也君と行き違いになったんじゃない?」
俺もそう思ったんだけど
「いなかったんだよ」
〝じゃ友達のところとか……ほらっ会社の友達とか〟
「そうだな今頃、鏡也の悪口でも言ってんだろ」
二人とも俺が不安にならないように気を使ってくれてんだな!
そうならいいんだけど……
葉瑠…どこいったの?早く帰っておいで。
じゃないと誕生日が終わっちゃうぞ!
俺に今日、〝おめでとう!〟って言わせて。
それから何度も電話するのに全然出なくて、ただ時間だけが過ぎていった。
「鏡也君マンションに帰ってたら?葉瑠ちゃんが来るかもよ」
みんなでここでじっとしてても仕方ないからって…
洋子さんもマンションに帰って時々葉瑠の部屋を尋ねてくれることになった…
──///
葉瑠…自分の誕生日に俺を驚かせようって…それは反対だろ?
俺、今まで人の誕生日なんて全然気にしてなかったから…葉瑠に聞いた事もなかったな。
ごめんな!いくら知らなかったとはいえ今日の事は無神経すぎた。
こんな大切な日に……

