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秘密のキスは蜜の味【完結】
第25章 俺の前で泣くな!

葉瑠は今の状況が理解できないようだ。
なかなかタクシーから降りようとしない。
…おいで!……
ゆっくり葉瑠に手を延ばすと、戸惑いながらもそっと握ってくれた。
フラフラと足が縺れる葉瑠の肩を抱き寄せ…支えながらエレベーターに乗り込む。
時々葉瑠を見ながら肩を抱き寄せると安心したように俺に凭れてきた。
良かった…堪らなくなって髪にそっと口づけた。
ガチャン………
玄関に荷物を置くとすぐに葉瑠を抱き上げリビングへ…
ソファに座らせ俺は葉瑠の目の前に跪いた。
「葉瑠…今日はごめん、洋子さんから聞いたよ。誕生日…知らなくて寂しい思いさせてほんとごめん」
「………//」
すると見る見るうちに葉瑠の眼には涙が溢れ、唇はぷるぷると震え出した。
我慢してたんだな!
葉瑠の頬に手を添えると大粒の涙が流れ落ちた。
ヒック……ヒック
葉瑠を膝に抱き上げ抱きしめてやると、こらえ切れずに嗚咽が漏れだした…
ごめん。寂しかったなごめん。
真紀ちゃんとの話がなかなか進まなくてイライラしてあんな言い方を……
出掛けるのが面倒になったわけじゃないから
「疚しい事は何もないからね…ちゃんと話すから聞いてくれる?」
すると…葉瑠は大きく首を振る。
んっ?…なんで?
やっぱり許せない?
ブンブン
「私、が…黙って、たから…ヒック、いけない…の」
「違うよ、葉瑠が悪いんじゃないから」
葉瑠にしてみたら聞きたくないこともあるかも知れないけど、ちゃんと話しておきたいから!
「でも、気になるだろ?なっ?」

