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秘密のキスは蜜の味【完結】
第26章 愛すればこそ
いやそこまでじゃないんだけど……って!
取引先の女の子と一度だけ飲みに行ったら勘違いされちゃったんだって。
商談に行くたびに誘われて、断ると冷たいって言われて……他の社員さんと話してると睨まれたり凄かったって。
困って会社と相談して担当を変わってもらったんだけど、そこから付きまといが始まったらしい!
「その子とは、ほんとに何もないんだよ。軽い気持ちで行った俺が悪いんだけど」
「ほんとだから…」
まさか鏡也君が誘ったんじゃないよね?
「違う違う。誘われたんだよ」
社交辞令だと思って軽く返事したら、すぐ店の予約までされて断れなくなったんだって!
そもそも誘われたからって二人だけで行ったら勘違いするのあたり前でしょ。
「あ~まあ…ごめん」
それで…どうなったの?
避ければ避けるほど感情的になるから、結局は会って納得させたらしいけど。
「大変だったよな?鏡也、ここで大泣きされて」
「そうそう。みんな見て見ぬ振りしてたけど、耳だけはもうダンボよダンボ」クスクス
凄く綺麗な子だったみたい!
洋子さんったら…
「あんなに泣かれたら引くって言うか…鏡也君には悪いけど、ちょっと笑っちゃったわよ」
ふ~ん、そんな事があったんだ!
「それって、いつの話?」
えっ?えっといつだったかな…
「でも葉瑠と逢う前だよ。なあヒロちゃん」
「あぁそれはほんと。…って言うか正確には…二人で飲みに行った後、すぐに葉瑠ちゃんに会ったってわけ」