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秘密のキスは蜜の味【完結】
第26章 愛すればこそ
追い掛けなきゃ……グスッ
エレベーターまで走ってボタンを押そうと手を延ばした。
「どこ行くんだよ?」
?!?……グスッ 鏡也君!
階段の踊り場で鏡也君が壁に凭れて私を見てる…
帰らないでいてくれたの?
「部屋に入れって言ったのにどこ行くんだよ?」
だって……
はぁ~ってため息はついたけど近寄って来てくれる、離れないようにシャツを掴んだまでは良かったけど…そこからなかなか言葉が出なくて……
「もういいって言ってんのに強情だな葉瑠は…どうしたいんだよ?」
「部屋に、入…ってょ」お願いだから…
「はぁ~」
根負けしたのか…ため息をひとつ吐いて歩いてく。
無言だけど鏡也君の持ってる合鍵で玄関を開けてくれた。
「………ほらっ入れ」コクン
───//
「葉瑠…いつまでそこにつっ立ってんの?」
ソファにふんぞり返る鏡也君に立ったままの私……
だってどうしていいかわかんない!
沈黙が続いて居たたまれない…でもきっと鏡也君も困ってるよね!
「どうしたら許してくれるの?」
許すもなにもないよ。
「仕事の引き継ぎもあるから行くのはいいよ、でもちゃんと言って欲しかった」
俺、心が狭いから…俺に言うと面倒って葉瑠は思ったかも知れないけど
「そんなつもりは無かったの…ごめんなさい」
「はぁ~ダメだ~!もうイヤになってきた」
鏡也君………そんな!
「葉瑠の事じゃないよ俺の事。自分がイヤんなる」
そう言ってうなだれてる。
なんで?私がいけないのに…
「ごめん俺…なんかダメだわ、どうかしてる」