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秘密のキスは蜜の味【完結】
第27章 愛すればこそ②……
「まだ話終わってないから…待って」
もういいよ!まだ何かあるの?
隣に座り直すと私の手を力強く握ってきた。
「今日俺の誕生日なんです」え?
そうなの?知らなかった……
さっき〝今日何の日が知ってる?〟って言ったのは誕生日の事だったんだね。
でもお父さん達に言わなくてもよくない?
私が後で鏡也君には何かプレゼント考えるのに…
「あっそうなの?おめでとう。じゃバースデーケーキにすれば良かったわね。ねぇお父さん」
お~そうだな!また買ってこようか?
「いや、それはいいんですけど……俺どうしても欲しい物があって」
えっちょっと、何かねだる気なの‼
「なんだ?あげられるもんならいいけど……」
やだ鏡也君…待って…「鏡也君…私が…あとで」
「…………葉瑠を俺に貰えませんか」え?
「「………!!!」」
なに…言ってんの?……
「すみません突然!」
─もちろんすぐにってわけじゃないんです。
これから転勤もするし、また暫く遠距離になるから…俺が戻ってきたら、葉瑠を俺に下さい─
まだいつ帰って来れるかわからないけど…。
だけどこのまま葉瑠を一人残して行くのが不安で……
遠距離を乗り越える希望を下さい。
じゃないと、きっと心が折れて頑張れないような気がするんです!
なによ、突然!鏡也君ったら……グッ、グスッ
「お願いします」鏡也君は二人に頭を下げた。
「葉瑠も、鏡也君と同じ気持ちなんでしょ?」
「………ウッ、ウッ…」
鼻の奥がジンってして涙が一気に溢れてくる。
眼の前が霞んでお父さんやお母さんの顔がよく見えなくなった‼