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秘密のキスは蜜の味【完結】
第28章 寂しいけど頑張るから
「……やだ行く。飛行機に乗るギリギリまで一緒にいたいょ」
でもな……「お願い。行ってもいいでしょ?」
そりゃ…俺だってずっと一緒にいたいけど…
「行く絶対行く、置いてったら札幌まで追い掛けるから」
追い掛けて来たって葉瑠は俺の住むとこ知らないだろ?「知らなくたって行く」
道がわかんなくてフラフラしてたら拐われちゃうぞ
「いいもん」
「───葉瑠…そんなこと冗談でも言うな」
んっ……だって!
頼むからそんな事言うなよ!わざと言ってるのはわかるけど俺だって辛いんだから。
「ごめんなさい」
はぁ~「葉瑠…おいで」
手を延ばすと素直に胸に飛び込んでくる。
「お願い、泣かないように頑張るから、行きたい」
結局、空港まで連れて行けばその後の葉瑠が心配になるし…置いてってもほんとにフラフラしそうで……おんなじだな!
「一人で帰れる?」うん大丈夫。
わかったよ、じゃ一緒に行こう!コクコク
「ありがと」
葉瑠…もう泣いてるの?
俺の胸に顔をうずめたままずっと離れないじゃん
「顔上げて」
ブンブン 首を振るだけで何も喋らないから少し強引に上を向かせた。
ほらっ…もう泣いてる。
潤んだ瞳から涙が零れ落ちそうだよ!
「今だけだもん」
今、こんな状態で明日、泣かないわけないじゃん
ほらっ…涙が葉瑠の頬を静かに零れ落ちた。
「今、だけ……グゥ」うん。
「明日、は…泣かない、から…ウッ、グッ」
葉瑠…ほんとは置いていきたくなんかないんだよ。
仕事なんか辞めさせて無理やりにでも連れて行きたいんだ。