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秘密のキスは蜜の味【完結】
第28章 寂しいけど頑張るから
****
とうとう来ちゃった。
「はぁ」チェックインをする鏡也君の隣で自然とため息が出た。

「葉瑠…今ため息ついたろ?」つっ、ついてないよ
ダメだな、私ったら─

ベンチに座って鏡也君との最後の時間。
「葉瑠…ひとりでも札幌まで来れるようにちゃんと覚えとけよ」

「大丈夫だよ」だって彩ちゃんの結婚式にはひとりで行ったんだから……

ほんと心配性、私ってそんなに危なっかしい?
「危なっかしい、すげ~心配」

ん!今まではそうだったかも知れないけど、これからは大丈夫……心配させないようにしっかりするから。

ほんとかな~‼って私を横目で見るんだもん!
あ~その眼は疑ってるでしょ?

じゃ今度、鏡也君の札幌のお家まで一人で行ってみせるから……
「それはやめて、心配で家でなんて待ってられね~よ」え~大丈夫なのに~♪

そう言えば聞いてなかった。

「札幌のお家はどんなところ?」

ん?それが俺も見たことないんだよ。行ってる暇がなくて支店の人が探してくれたんだけど…家賃がすげ~安くてさぁ…大丈夫かな?

「そうなの?古いアパートなのかな?」

そしたら鏡也君が…
かもな…それか、訳あり物件だったりして。

訳ありって?

「殺人事件があったとかさぁ、それで安いのかも!それでも葉瑠なら俺に逢いに来てくれるだろ?」

え?「…ムリ……行かない」

なんでだよ!来てくれよ~アハハハ

やだ~怖いも~ん!キャハハ


♪~出発便のご案内を致します♪

あっ!…その時、札幌行の搭乗アナウンス…


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