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秘密のキスは蜜の味【完結】
第29章 私たちの場所
でも、みんな…鏡也、鏡也って言わないでほしい…
逢いたくなっちゃうから。
「よし葉瑠ちゃん、今日はたくさん飲んで寂しいのなんて吹き飛ばせ」
「そうだそうだ葉瑠ちゃん飲みな…」
ヒロちゃんが私のお気に入りのカクテルを作ってくれた…
「はい葉瑠ちゃんはいつものな」
うんありがと「いただきま~す」
もうすぐ年が明ける。。
今年はいろいろあったな…私が本社勤務になってやっと遠距離が終わったのに…
今度は鏡也君が転勤になって…
また遠距離で1年の我慢…
まだ1ヶ月半しか経ってないよ?……
「ほら葉瑠ちゃん、カウントだぞ」あっうん。
「「「5・4・3・2・1・おめでとう~乾杯」」」
イエ~イ!!*☆♪。.:*:・'°☆
年…明けちゃった……
鏡也君はまだ電話出来ないね!
ライヴが終わってもすぐには帰れないよねきっと……
『明けましておめでとう』ってメールだけしとこうかな?
そしたら返信が来るかも。
メールを打ってカクテルを一口、うん美味し!
ここでお酒を飲むと無意識に鏡也君を捜しちゃう。
そう言えば…カウンターの下で指を絡めて洋子さんにバレちゃった時があったな!
送別会の日はお手洗いの前でキスまでしちゃって……
いつでもここに来れば鏡也君の気配がして…二人で手を繋いでここからマンションに帰るのが嬉しかったのに──今日はひとりだ。
ほんとなら今頃は、札幌で鏡也君と過ごしてたのに!
カクテルなんか飲んだから……余計に寂しくなって恋しくなる。
でも飲まなきゃ寂しくていられない!