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秘密のキスは蜜の味【完結】
第29章 私たちの場所

「え?いえもう帰るんで」早く帰ろ!
もう一度頭を下げてすり抜けようとしたのに、急に腕を捕まれた。

「いいじゃん行こう?俺のアパート近いから」
やだ離して!どうしよ…

必死に腕を振り払おうとしたのに2人に挟まれ反対の腕も捕まれた。

離して!
「テメーら何やってんだ」

あっ、グスッ……「誰だよテメー」
「お前ら……もう警察呼んだからな」え?やべっ

警察って言葉を聞いて
その人達は慌てて逃げていった。

グスッ…グスッ…


「だから危ないって言っただろ?」

コクン。ご…めん、なさい。

私が勝手に出てきたからヒロちゃんが心配して追い掛けて来てくれた。

「ヒロちゃん…グスッ…怖かったょ…」

「もう大丈夫だから、泣かなくていいよ」
そう言って頭を撫でてくれた。

歩けるか?うん。

じゃ帰ろう!

ごめんね、ヒロちゃんにも迷惑掛けちゃった。
「間に合って良かったよ。葉瑠ちゃんに何かあったら俺、鏡也に殺されるわ、アハハハ」

「鏡也君に…叱られちゃう」
ひとりで帰ろうとなんてしたから─

「ヒロちゃん、この事は鏡也君に「わかってるよ」

黙ってるよ。鏡也に言ったら〝ひとりで帰すな〟って俺も怒られるからな!

ありがとう。こんなこと知ったら鏡也君凄く心配すると思うから。

ヒロちゃんが来てくれた安心感とアルコールで足元が少しフラフラする

転ばないようにゆっくり歩いていると先を歩いていたヒロちゃんが振り返ってくれた!

「葉瑠ちゃん?んっ……」

え?なに?

ヒロちゃんが私に手を延ばしてる。

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