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秘密のキスは蜜の味【完結】
第29章 私たちの場所
「………//な?もらっとけ」はあ~参ったな!
この子なんて名前だったっけ?
山下さん、だったかな?俺のデスクに弁当置いて動かね~から…
「あ~じゃ今日だけ、明日からほんと要らないから。いい?」はぃ!
なんども念押しして〝はい〟って言ったじゃん!
なのになんで作ってくんの?
こう言うときは何て言えばいいんだよ。
「彼女がさ…ヤキモチ妬くからほんといらないよ」
ここまで言えば分かってくれるだろ。
「でも彼女はお弁当作ってくれないんでしょ?」
いや作ってくれないんじゃなくて作れないの!
遠距離なんだから─
「お弁当くらい良いじゃないですか黙ってれば…」
あっそうか!!──って違うだろ。
勘弁してくれよ。
「やっぱりイケメンは違うよな、黙ってても手作り弁当が食べれんだから……家の嫁なんて低血圧だからって1回も作ってくた事ね~ぞ」
そうなんすか?先輩。
たまたまそこに通り掛かった先輩が愚痴をこぼすから……
あっ!!じゃあこの弁当食べてやって下さいよ!
「え~?ちょっと鏡也さん…」
デスクに置かれた弁当箱を先輩に押し付けるとすげ~嬉しそうだ!
「いいのか?鏡也…山下も」
いいんじゃないっすか?ねぇ?
ムッ!「どっ…どうぞ」
良かったよ、不機嫌そうにしてるけど捨てるよりいいんじゃね?
これからはこの手でいこう……
カチカチカチカチ……「んっ?」まだ何か?
俺の前でつっ立ったまま何か言いたそうにしてるけど、ここは気付かないフリ
カチカチカチカチ
もういいだろ弁当のことは……そこにずぅといられたら気が散るんだけど