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秘密のキスは蜜の味【完結】
第30章 遠い800㎞の距離
…よりによってヒロちゃんって!
コイツ俺たちの関係を壊そうとしてんのか?
「嘘じゃないですから」
はいはい。でっそれいつの話?
「確か…大晦日ですよ。正確には年明けですかね」
遠藤が言うには大晦日の夜…初詣に行った帰りに見かけたって言うんだけど…
大晦日って…ヒロちゃんの店でみんなで年越しするからって葉瑠も行ったはず。
「遠藤、それはきっと雰囲気が似てる別人だわ」
葉瑠とヒロちゃんが手を繋いで歩くわけね~よ。
「いいえあれは絶対見間違いじゃないですよ。私、視力2.0ですから!」
「葉瑠さんってあんな可愛い顔して、鏡也さんが転勤でいないからって浮気して~怖い人ですね~鏡也さん早く目を覚まして下さい」
おい。いい加減にしろ!さっきから
俺にはお前の2.0の視力の方が怖いわ。。。
はぁ~くだらねぇもうやめてくれ!
「じゃ俺帰るわ」
「あっ鏡也君さん…嘘だと思ったら本人に聞いてみたらいいじゃないですか」
────////
アイツほんと、今まで散々俺達を振り回してきたのにまたかよ…来るんじゃなかったな。
はぁ……
でも、あんなに葉瑠とヒロちゃんだって言い切って……
その日はみんなで年越ししたんだよ。大晦日なら当然洋子さんだっていたはずだぞ…
確かその日、俺は年越しライブが終わって葉瑠に電話したよな?
俺がいないから寂しい逢いたいって葉瑠は泣いたんだから。
どうなってんだよ!
なにかの間違いって思うのにすげ~モヤモヤする。
もし歩いてたのが葉瑠とヒロちゃんだったとしても、手を繋ぐなんて事はしないはず…
やっぱり人違いだよ