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-蜜姫-
第3章 -第二章-




さっきまでの 白い景色と違い、色とりどりの花が咲く美しい所だ。



花のよい香りがする。



「これは 薔薇…?



綺麗……………。」




美しい薔薇に、雪乃は目を奪われて
ソッと薔薇に手を伸ばした。




「薔薇にはトゲがあるから、気をつけて。」






「え?……」





いきなり声をかけられて 雪乃は声の方へ振り向いた。




そこには 女性が立っていた。




「…誰?」





その女性は 長い黒髪で白い着物を着ていた。


背は自分と同じ位だろうか?



でも 何だか違和感が…………





その女性は 着崩したような着物姿だったのだ。

何だか 艶かしい。



そして唇の赤さが 目立つ。



美しい女性なのだろう。



だが 赤い唇ばかりが 目について 表情というか、顔が見えないのだ。




「あの………?」





「ふふっ………」





雪乃の問いかけに答えず、女性は踵を返し そのまま消えた。






「え……………?」






雪乃は ただ ぼーぜんと佇んでいた。





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