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第3章 迷走

「おまたせ珠美」

「おー、おつ～あや」

珠美は看護士をしている。
この日は非番で、久しぶりに会おうということになった。

「珠美、忙しい？病院」

「まあな、あたし今ＩＣＵだからさあ。マジつれえ～よ」

「そっか……言ってたもんね。ＩＣＵはきついんだ」

「そうな。それに、彼とも職場かわっちゃうしな」

「そっかあー。じゃ、あんま会えないかんじ？」

「まあ、昼は会えたりするときもあるけど、前は毎日一緒だったもんさあ」

珠美には、同じ病院に恋人がいる。
相手は珠美より10歳も年上の小児科の医師、そして妻子がある。

つまり、院内不倫、をしているわけである。