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恋はどこからやってくる?
第1章 出会いは深夜
「柏木さんは?」
二本目のタバコをくわえて、ん? と目で問うと
「飲みたい気分だった、って」
「あぁ…」
くわえた先に火をつけて吸い込むと、「デキちゃったんだよね」と言った相手の顔が浮かぶ。その、申し訳なさの中に隠しきれない喜びが滲んだ顔を、吹き消すように煙を吐いた。
「俺もお前とおんなじ。フラれた」
ビールの缶を口にあてた紺野の動きが止まり、
「…すみません」
萎れる言葉尻は聞き取れないほどだったが、その誠実さが優しく柏木の心を撫でたように思えた。
「お前が謝ることじゃねーだろ」
明るい声で肩パンしても、紺野は萎んだままだ。
「いや、俺みたいに醒めた人間がフラれるのと、そうじゃない人がフラれるのとは…違いますよね。変なこと聞いちゃってすみません」
二本目のタバコをくわえて、ん? と目で問うと
「飲みたい気分だった、って」
「あぁ…」
くわえた先に火をつけて吸い込むと、「デキちゃったんだよね」と言った相手の顔が浮かぶ。その、申し訳なさの中に隠しきれない喜びが滲んだ顔を、吹き消すように煙を吐いた。
「俺もお前とおんなじ。フラれた」
ビールの缶を口にあてた紺野の動きが止まり、
「…すみません」
萎れる言葉尻は聞き取れないほどだったが、その誠実さが優しく柏木の心を撫でたように思えた。
「お前が謝ることじゃねーだろ」
明るい声で肩パンしても、紺野は萎んだままだ。
「いや、俺みたいに醒めた人間がフラれるのと、そうじゃない人がフラれるのとは…違いますよね。変なこと聞いちゃってすみません」