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恋はどこからやってくる?
第2章 暖かな部屋
たびたび共にする夕食の中で、調理は柏木、片付けは紺野、というルールが自然と作られていた。
今夜も紺野が洗い物をし、コーヒーを淹れる。

「柏木さん、コーヒー入りましたよー」

ソファーで寝転ぶ柏木の前に置いて、床に座った。

「柏木さん?」

反応がないので覗きこんでみると。

「…寝てるし」

──昨日遅かったもんなぁ

付けっぱなしだったテレビを消して、寝室から持ってきた毛布をそっとかけた。

──睫毛、長いなぁ。よく見ると顔立ち整ってるし、モテるんだろうな

普段の柏木は無愛想で難しい表情がデフォルトのようだが、たまに破顔した時は「同一人物か?」と思えるほど優しい顔になる。

──こーゆうのをギャップ萌え、って言うのかな


出会いの夜以来、柏木が失恋相手について話すことはなかった。紺野が触れそうになると恐ろしく不機嫌になる。

──ちゃんと相手と話し合ったんだろうか…

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