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恋はどこからやってくる?
第5章 ふたりのうねり
翌週から、紺野は時間を少し早めて出勤するようになった。
柏木に会うのが怖かった。

会えばきっと避けられる。
いや、避けられるならまだいい方だ。

口の悪い柏木に罵られたら、もう二度と立ち直れなくなってしまうだろう。

それなのに。

ふと気付くと柏木を想う自分がいる。
階上の物音に耳を澄ます自分がいる。

「柏木さん…俺どうしたらいいんですかね?」

そんなふうにつぶやいても答えなど返ってくるはずもなく、それでも紺野は上を向いて問いかける。

「男の俺に好きになられたら迷惑ですか?」

あれから…柏木からのメールも電話も来なくなった。

「もう、会えませんか?」

避けているのは自分だけではないと思えば、見上げた目線がどんどん下を向く。


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