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恋はどこからやってくる?
第1章 出会いは深夜
ひとしきり笑ったあと、柏木は帰宅前に抱えていた苛立ちがすっかり収まった事に気づき苦笑いした。

──ま、俺の傷心もその程度って事だ

「で、紺野くんよ。彼女のこと追いかけなかったけど、いいわけ?」

紺野はまた他人事のような顔する。

「いいんです。追いかけて仲直りしたとしても、どのみち多分また怒られて…ってなりますから」

「なんだよ、いつも怒られてたのかよ」

仕草だけでなく、中身も小学生みたいなヤツなんだろうかと、紺野の顔を覗きこんだ。

「あのー、女の子って記念日好きじゃないですか? 俺、そーゆうの覚えらんなくて…」

「あー、なるほどなぁ」

「付き合って何ヵ月記念日とか、どこどこ行った記念日とか、覚えてなくていつも怒られてて…」

紺野は叱られた子供のように、揃えた両脚に揃えた両手を置いてうつむいた。

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