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双眸
第2章 始

「祝言を挙げるのは俺じゃない」
瑞乃の瞳を覗きこんで睦鬼は口の端を吊り上げる
「えっ……?」
瑞乃の瞳が驚きに見開かれるのと同時に、数多の感情が渦巻いていた瞳に安堵の色が宿る
だが瑞乃は愚鈍ではなかった
直ぐ様、とある結論に行着き眉間に皺を寄せた
「そうだ…祝言を挙げるのは俺じゃない」
とすれば誰なのか、もはや答えは火を見るより明らかだった
「お前の悟い所を俺は評価している。だから俺の側に居ることを許している、わかるな?瑞乃」
瑞乃の耳元で囁く睦鬼の言葉に瑞乃は眉根をきつく寄せ頷いた
睦鬼は瑞乃を真夜中に呼びつけた
呼びつけた理由は「大事な話がある」だった
故に睦鬼の祝言を挙げるとの言葉に睦鬼自身の事だと瑞乃は勘違いした
だが睦鬼ではない―――
行着く結論は一つ

