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双眸
第2章 始
「この祝言、申し出たのはあちらだが承諾したのは俺だ」
睦鬼は立ち上がり瑞乃にそう声をかけながら元いた場所に座り脇息に肘を置き頬杖をつく
気だるげなその所作さえ絵になると瑞乃は思わずにはいられない
それほどまでに瑞乃は睦鬼を想っている、それ故睦鬼の言葉に絶望するのだ
「ふっ……なんの因果か…」
睦鬼は鼻で嘲るように笑うと誰に言うでもなくそう呟いた
「お前の相手は弥栄谷(ヤサカダニ)の新たな頭領、弥弦だ」
睦鬼のその言葉に瑞乃は膝の上の手を握りしめる