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双眸
第3章 悦



そんな相手を怒らせてしまったと後悔する瑞乃だったが、どうしても聞かずにはいられなかった


睦鬼の側を離れたくないと其ほどまでに瑞乃は睦鬼を慕っていた


「っ……!?」


瑞乃は腕を引かれた驚きに息を飲むと睦鬼の腕の中にすっぽりと抱き締められる


「………」


互いの息遣いと瑞乃の早まる鼓動と睦鬼の規則的な鼓動が月明かりの無い寝所を満たす


睦鬼の香りに瑞乃はキュッと口を結んだ


何故、こんな風に壊れ物を扱うように抱き締めるのか――
いつもはもっと強引で意地悪なのに―――


聞いたら温もりが離れてしまいそうで瑞乃は聞くに聞けず、睦鬼の胸にそっと頬を寄せた



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