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なんで同じ時代なの
第3章 今、形
水守 美紀 side

私は、黒田君がアラン王子だったと知っている。
同じ中学ですぐに気付いた。でも前世の事とかずっと夢だと思っていた。

凛と高校の入学式で出逢うまで。

凛は、私のたったひとつの大切な希望。リーン姫だ。間違いない。

隣の国に攻め滅ぼされる前夜、リーン姫と共に二人で城をあとにした。
将来、リーン姫の役に立つ為に、私は自ら進んで、医師である両親から医術を、騎士である兄から武術を、寝る間も惜しんで学んだ。全てはリーン姫の為に。
誰にでも優しく、正義感溢れる姫が大好きだった。姫をずっと支えていきたかった。

リーン姫を追っ手から護りながら、遠縁のアラン王子の国になんとか辿り着いた。
途中うけた矢の毒がかなりの致命傷だとは解っていた。やっかいな毒を使われていたようで、解毒治療には奇跡の薬草と呼ばれる花ががどうしても手に入らない。

アラン王子は、還る国もない私達にとても良くしてくれた。
そして、奇跡の薬草は王族でも滅多に手に入らないのに、苦労して手に入れてきてくれた。
私はただの侍女なのに。
アラン王子に命を救われた。
もっとも、この時すでに全身に回っていたので、余命は1年持たない事は自分で解っていた。
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