この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第17章 母が息子を密告する時~時代劇 鬼平犯科帳  密告 より~
成長して盗賊となってしまった一人息子が紋蔵でした。

 お百は何とか息子に江戸での盗みを止めるように言い聞かせたけれど、

 紋蔵はききません。

 それで、お百が平蔵に密告したというわけです。

 密告者というのは、仲間から酷い制裁を与えられます。それは

 当然のことですが、お百もその運命を免れなかった。

 平蔵は紋蔵に、お前の父親は俺だと嘘のことを伝え、

 密告者がどうなるか、お前も知ってるだろう、おっかさんの居所を言いな、

 と諭します。

 なかなか口を割らなかった紋蔵ですが、ついに母親のことを心配して

 平蔵に居所を伝えました。

 急いで駆けつける平蔵。しかし、残念なことに、お百は既に事切れていました。

 報復に来た仲間を逆に合い口で殺し、自分もその後、喉をかききって死んでいたのです。

 お百が自害に使ったのは昔、平蔵から貰った珊瑚玉のかんざしでした。

 平蔵が最後に語ります。

 俺は悪さを繰り返していたほんの片手間に、ちょいとお百に情けをかけてやっただけ

 だ。あの女が江戸を去るときだって、女のことは忘れて、他のおしろいくさい女と

 一緒に浮かれていたに違えねえ。

 なのに、お百はそんな昔の恩をずっと憶えていたんだな。

 紋蔵は結局、死罪になりました。平蔵は死ぬ前夜の紋蔵に五鉄のしゃも鍋を

 特別に差し入れてやり、母の形見のかんざしを渡してやりました。

 従容として紋蔵は死んでいきました。

 母が息子を密告する。それは並大抵で出来ることではありません。

 私も自分が母親の立場なので、よく判ります。

/713ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ