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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第164章 土曜日の焼きそばパン
数十年後、我が子が同じ中学に通うようになり、たまにパンを買うときにはその店で買っているという話を聞いた時、嬉しいような懐かしいような、何ともいえない気持ちに囚われたものだ。
「優しいお婆ちゃんはおるかな?」
訊ねたけれど、店番をしているのは中年の女性とのことだった。数十年前に既に老齢だったのだから、現在生きておられても相当の高齢だろう。無理もない。
第一子が中学生だった頃はまだ営業していたそのお店も現在、末っ子が中学生になった今は営業はしていないという。シャッターの降りたそのお店の前を今でも通りかかる度に、あの焼きそばパンの滋味と優しかったお婆さんの笑顔がありありと蘇る。
今日、スーパーで見かけた焼きそばパンを買い、家に帰って食べてみた。ひと口囓った時、懐かしさのあまり涙の塊が湧き上がった。
「優しいお婆ちゃんはおるかな?」
訊ねたけれど、店番をしているのは中年の女性とのことだった。数十年前に既に老齢だったのだから、現在生きておられても相当の高齢だろう。無理もない。
第一子が中学生だった頃はまだ営業していたそのお店も現在、末っ子が中学生になった今は営業はしていないという。シャッターの降りたそのお店の前を今でも通りかかる度に、あの焼きそばパンの滋味と優しかったお婆さんの笑顔がありありと蘇る。
今日、スーパーで見かけた焼きそばパンを買い、家に帰って食べてみた。ひと口囓った時、懐かしさのあまり涙の塊が湧き上がった。