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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第166章 最後の授業(エッセイ)
当時、私は娘と同じ中学に通っていた。あれは確か中学での最後の授業を終え、帰りの会での出来事だ。最後の授業は英語で、教科書には「レッスン1」から順番に単元ごとに「レッスン○」と分けられている。しかし、最後の単元は「レッスン○」ではなく、「THe Last Lesson」だった。アルフォンス・ドーテの短編小説「最後の授業」が丸ごと教材として掲載されていたのだ。
文字通り、その英語の授業が中学生活を締めくくる私たちの最後の授業となった日だ。最後の一日を終えた教室内は、水を打ったように静まり返っていた。いつもならショートルームでは伝達事項を伝える先生の話が聞き取れないほど、騒々しいはずだ。なのに、誰も言葉を発しようとしなかった。
やはり、誰もが明日に高校受験を控え、無駄話をする余裕もなかったのだろう。突如として、ある男子生徒が沈黙を破った。
文字通り、その英語の授業が中学生活を締めくくる私たちの最後の授業となった日だ。最後の一日を終えた教室内は、水を打ったように静まり返っていた。いつもならショートルームでは伝達事項を伝える先生の話が聞き取れないほど、騒々しいはずだ。なのに、誰も言葉を発しようとしなかった。
やはり、誰もが明日に高校受験を控え、無駄話をする余裕もなかったのだろう。突如として、ある男子生徒が沈黙を破った。