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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第22章 人として生きていく哀しみ ~鬼平犯科帳 おみよは見た より~
そんなある日、雷が鳴って激しい雨降りの時、主人が外に使いに行けと言った。

 おみよは雷が大の苦手。

 なので、何とか雨が止むまで待って下さいと懇願した。

 しかし、鬼のような女は

 なみしごが何を一人前に雷が怖いだなんて。とっととお行き。

 と、いつものように、おみよを蹴る打つと打擲したあげく、使いに出した。

 渋々言いつけに従い出かけてきた帰り道、ちょうど帰ってきたところを

 見知らぬ男が逃げていくのを目撃。

 その男は小平次といって、殺し屋でした。

 もちろん、妾を殺して逃げるところだった。

 おみよは一瞬、雷光に照らし出された男の顔を見てしまい、

 小平次もまた見られたことを自覚した。

 その日から、おみよは小平次に狙われることになります。

 プロの刺客が殺害現場を見られたのだから、おみよは口封じら殺されるしかない。

 しかし、おみよはお上から取り調べを受けても、下手人の顔は見ていないと

 頑なに言い張りました。

 おみよが自分の顔を見てないのら、何もみすみす殺す必要はないのではと

 迷いが生じた小平次に危うさを憶えた元締めは今度は彼を始末するようにと

 他の刺客に言いつけた。

 情けがかえって生命取りになる闇の世界の残酷な掟が

 小平次の前に立ちはだかります
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