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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第184章 Tomorrow~直樹と有喜菜、その後
にこにことして応える有喜菜に、直輝は憮然とした。
「明日から臨月だっていうのに、呑気にケーキなんか焼いている場合じゃないだろう。少しは、じっとしてろよ」
「予定日が近いからこそ、じっとしてられないのよ。判るでしょ、直輝」
じいっと見つめられ、直輝は言葉を失った。有喜菜は子どもを生むのはこれが初めてではない。以前、最初に結婚していたときには三度の流産、死産を経験している。
彼はできるだけ妻を安心させるように言った。
「大丈夫さ。今度の妊娠は何の心配もないとドクターも太鼓判を押してくれてるだろ」
「でも、無事に生まれてくるまでは落ちつかないのよ」
「気持ちは判るが、少しは大人しくしていてくれないと、側で見てる俺の方が心配で気がどうにかなっちまいそうだ」
「明日から臨月だっていうのに、呑気にケーキなんか焼いている場合じゃないだろう。少しは、じっとしてろよ」
「予定日が近いからこそ、じっとしてられないのよ。判るでしょ、直輝」
じいっと見つめられ、直輝は言葉を失った。有喜菜は子どもを生むのはこれが初めてではない。以前、最初に結婚していたときには三度の流産、死産を経験している。
彼はできるだけ妻を安心させるように言った。
「大丈夫さ。今度の妊娠は何の心配もないとドクターも太鼓判を押してくれてるだろ」
「でも、無事に生まれてくるまでは落ちつかないのよ」
「気持ちは判るが、少しは大人しくしていてくれないと、側で見てる俺の方が心配で気がどうにかなっちまいそうだ」