この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第184章 Tomorrow~直樹と有喜菜、その後
「そうだな」
直輝は話を止め、出来上がったばかりのケーキを見つめている。
「そんな大きなケーキ、どうするんだ? 俺たちだけじゃ、食べきれないだろ」
「私たちのじゃないわよ、眞歩(まゆむ)ちゃんに届けるのよ」
「眞歩に?」
「昨日、紗英から電話があったの。私たちが選んで送ったバースデープレゼント、あの子が物凄く歓んでくれたって」
「そう、か。眞歩が歓んだのか」
直輝の顔にホッとしたような表情が一瞬浮かんで消えた。一ヶ月前の日曜日、近くのデパートの玩具売り場に行き、別れた妻の育てている娘に誕生日のプレゼントを送ってきた。もちろん、眞歩を生んだ有喜菜も一緒に行った。
そう、彼の最初の娘は、前の妻ではなく、今の妻を代理母として生まれてきた。前妻紗英子は子宮を摘出してしまい、子どもを望めなくなった。そのために、代理出産という究極の道を選択し、結果として眞歩を授かったが、夫婦は別れることになってしまった。
直輝は話を止め、出来上がったばかりのケーキを見つめている。
「そんな大きなケーキ、どうするんだ? 俺たちだけじゃ、食べきれないだろ」
「私たちのじゃないわよ、眞歩(まゆむ)ちゃんに届けるのよ」
「眞歩に?」
「昨日、紗英から電話があったの。私たちが選んで送ったバースデープレゼント、あの子が物凄く歓んでくれたって」
「そう、か。眞歩が歓んだのか」
直輝の顔にホッとしたような表情が一瞬浮かんで消えた。一ヶ月前の日曜日、近くのデパートの玩具売り場に行き、別れた妻の育てている娘に誕生日のプレゼントを送ってきた。もちろん、眞歩を生んだ有喜菜も一緒に行った。
そう、彼の最初の娘は、前の妻ではなく、今の妻を代理母として生まれてきた。前妻紗英子は子宮を摘出してしまい、子どもを望めなくなった。そのために、代理出産という究極の道を選択し、結果として眞歩を授かったが、夫婦は別れることになってしまった。