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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第184章 Tomorrow~直樹と有喜菜、その後
紗英子も社会復帰した直後は大変だったようだが、今は眞歩を保育園に預けて、仕事もそれなりに順調にいっているようだ。勝手な言い分かもしれないが、紗英子には幸せでいて欲しかった。
間違っても、嫌いになって別れたのではない。紗英子の考え方、物の見方が自分とはあまりにかけ離れていることに気づき、これ以上は一緒にやっていけないと思ったのが理由だったのだ。
「紗英、ボーイフレンドができたらしいわよ」
直輝は眼を瞠った。
「そうなのか?」
「勤務先の取引会社の人だって。今は営業部長だけど、社長の甥で専務の息子だっていうから次期社長は間違いないみたい。プロポーズされてるという話だったわ」
「そっか」
直輝は半ばホッとしたような半ば空しいような、妙な心もちで有喜菜の話を聞いていた。
間違っても、嫌いになって別れたのではない。紗英子の考え方、物の見方が自分とはあまりにかけ離れていることに気づき、これ以上は一緒にやっていけないと思ったのが理由だったのだ。
「紗英、ボーイフレンドができたらしいわよ」
直輝は眼を瞠った。
「そうなのか?」
「勤務先の取引会社の人だって。今は営業部長だけど、社長の甥で専務の息子だっていうから次期社長は間違いないみたい。プロポーズされてるという話だったわ」
「そっか」
直輝は半ばホッとしたような半ば空しいような、妙な心もちで有喜菜の話を聞いていた。