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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第184章 Tomorrow~直樹と有喜菜、その後
「眞歩は、いつか俺に逢ってくれるだろうか」
こんな父親でも、我が娘は〝父〟だと認めてくれるだろうか。生まれたばかりの娘と紗英子を棄て、有喜菜を選んだ自分を。思わず心の呟きが落ちた。
「紗英なら、眞歩ちゃんをあなたに逢わせないなんて絶対に言わないわ。それに」
と、有喜菜は直輝に微笑みかけた。
「たとえ何があろうと、眞歩ちゃんは、あなたの娘なのよ。それを忘れないで」
たとえ有喜菜の子宮を借りて生まれてきたとしても、眞歩が紛れもない紗英子の娘であるように、眞歩は同じく直輝を父として生まれてきたのだ。その事実は変えようがない。
「ああ、そうだな」
直輝には話さないでと口止めされているが、有喜菜は、紗英子から彼女の気持ちを聞いていた。眞歩が二十歳になったその時、代理出産のことも含めて、すべての事情を話すつもりだ、と。そして、眞歩と直輝を対面させても良いとも紗英子は言っていた。
こんな父親でも、我が娘は〝父〟だと認めてくれるだろうか。生まれたばかりの娘と紗英子を棄て、有喜菜を選んだ自分を。思わず心の呟きが落ちた。
「紗英なら、眞歩ちゃんをあなたに逢わせないなんて絶対に言わないわ。それに」
と、有喜菜は直輝に微笑みかけた。
「たとえ何があろうと、眞歩ちゃんは、あなたの娘なのよ。それを忘れないで」
たとえ有喜菜の子宮を借りて生まれてきたとしても、眞歩が紛れもない紗英子の娘であるように、眞歩は同じく直輝を父として生まれてきたのだ。その事実は変えようがない。
「ああ、そうだな」
直輝には話さないでと口止めされているが、有喜菜は、紗英子から彼女の気持ちを聞いていた。眞歩が二十歳になったその時、代理出産のことも含めて、すべての事情を話すつもりだ、と。そして、眞歩と直輝を対面させても良いとも紗英子は言っていた。