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催眠玩具
第9章 美獣の檻
気づいた時には手遅れだった。
そして高城さんは私よりも気が利いた。
差し出された由美の手を握り返し、「ええ、よろしく!」と笑顔を浮かべ……
「きゃ……!」
握手をそのまま、いきなり抱き寄せられた由美が叫び声を上げた瞬間、私は彼女に飛びついてその口を手で塞いでいた。
手遅れだったのだ。
もうそれしかすることができなかった。間に合わなかった。
私の手の下で亜理紗の唇がもごもごと必死に何かを言おうとする。
でも、力を込めて声を出させない。
出させるわけにはいかない。
声を出されたら人が来てしまう、そしたら高城さんは……。
体を押し付け、楽しむように密着を強めた高城さんは、由美のパンツの上からあの部分を揉んでいた。深く……挿し込むように。
後ろから私に、前から高城さんに、挟まれた由美が首をねじり、私を見つめるその目が「どうして?」と問いかける。
「ごめんなさい……由美……どうしようもないの……」
私は涙声で呟いた。
うわずっているのは、きっと冷め止まない私自身の劣情のせいでもある。
由美の体が弾けるように二、三度痙攣し、それで高城さんの蠢きが彼女の急所を探り当てたことがわかった。集中的にそこだけを責めこすられ、由美の膝がガクガクと笑いだす。支えていなければ床に崩れ落ちてしまうだろう。
切なく歪む由美の眉。
官能に耐える苦悶の表情。
私もきっと、さっきまでこんな顔を……。
腕の中で、彼女の体温が急速に上がってゆく。
「……本当にごめんなさい」
私はもう一度由美に謝った。