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催眠玩具
第10章 リプレイ ― 反撃 ―
パチッと何かが爆ぜる音がして、次の瞬間、高城さんがもんどり打って床に倒れ込む。
由美の手にはスタンガンが握られていた。
揉み合いながら手を伸ばしてバックの中から取り出したのだ。
「由美……」
一瞬呆けた私の虚を突いて、由美が体をもぎ離す。
「近寄らないで! ニューヨークで買った護身用の本物なんだから。玩具じゃないのよ」
「違うの……これには訳が……」
「ううっ……何があったんだ……」
高城さんが頭を押さえながら起き上がろうとしていた。
「いやっ……」
叫んで逃げようとする由美を私は制止する。
「待って! 大丈夫……全部、全部説明するから……信じて……」
必死の懇願に、由美は会議室のドアの前で立ち止まり、恐る恐る振り返った。