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催眠玩具
第12章 二律背反

「それはね、キミのバッグだよ。だから最初からスタンガンなんか入ってないのさ」

 言っている意味が全くわからない……!

 それでも、言葉を越えた直感的な真実の実感が私の心に突き刺さった。
 この男の言っていることは本当の事。

 それでは……それが本当なら……。

「私は……」

 そうだ、私は。

「私は……誰!?」

「……そんなことすぐに忘れさせてやるさ」

 高城が再び私の体を押さえつける。

「ア……」

 後ろからの姿勢で灼熱が、床を這う獣となった私を躾ける絶頂の一撃が、づぶりと肉を割った。

「あぁぁあっ……ぅあっ」

 耐えられない。逆らえない。無理だ。
 この快楽に、抗う術を私は持っていない。

「……ああぁぁあぁああああぁぁぁあああぁーっ!!」

 明らかに悦びの、服従の甘い咆哮を、私は澄み渡る学び舎の空気を切り裂いて響かせた。







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