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催眠玩具
第13章 インサート ― 挿入 ―
パチッと目を開くようにして、私の中でもう一人の私が覚醒する。
アート・トリルの会議室。腕の中には高城に体をまさぐられる由美。その口を塞いでいる私。
予想した通り。
すべて、昨日高城が私にかけた催眠暗示の覚醒条件を満たしていた。
「由美……」
そっと、耳元に囁きかける。
「大丈夫よ、心配しないで……高城さんのことなら、貴女、あんなに好きだって言っていたじゃない」
「……!?」
何を言っているのかわからないというように、由美が身震いをする。
「ほら、思い出して……電話で……何度も貴女、聞いているいるわよね……高城さんのことが気になるって。好きだって。愛しているって」
そう。これは間違いではない。
私は何度も由美に相談をしていた。何時間もそのを話した。
由美は知っている。私の想いを。
「愛しているなら……こんな事をされるのは……貴女の望んでいた事。ちっとも怖ろしい事なんかじゃないの」
再び、抗い、身をもぎ離そうとする試み。
私は高城と二人で由美を押さえつける。