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催眠玩具
第4章 堕落の遊戯
私は男に替わって自分の両手でスカートの端を持ちあげてやった。
それでようやく男がズボンのベルトを外し始める。
その動きがもどかしい。
カチャカチャという金具の音。一体いつまで……。
電車がホームへ滑り込む。
もう駄目……間に合わない……。
乗り込む乗客。皆が一斉に目を見張る。
私は扉が開いた瞬間に少年に腕を引かれてホームへと降ろされ、そこから車内の様子を眺めていた。
サラリーマンの男が驚く乗客たちを他所に、一人でアソコを丸出しにして扱き立てていた。
「フフフ……アソコを出したらそのまま最後までするよう暗示をかけておきましたからね……いい夢を見ているんだろうな」
と、少年が満足そうに頷く。
彼に腕を取られたまま、私は改めて思い知らされた催眠術の底知れぬ強力さにいっそう怯えていた。
催眠術だけではない。
この容赦のなさ……捕まえた昆虫の脚や羽を無邪気にもぐ子供のような、少年の無垢な邪悪さ。それが私の背筋を凍らせる。
このままではいけない。
絶対……どうにかして逃れないと。
しかし、どうにか固めたその覚悟もすぐに打ち砕かれることになった。
「さて、この駅で乗り換えでしたね」
「乗り換え……?」
私は彼の言葉の意味する所に気づいてゾッとした。
「決まっているじゃないですか……亜理紗の自宅へはここで乗り換えでしょう?」