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催眠玩具
第5章 玩具同士で
亜理紗も感じているはずだ。
絶望の、身も凍る歓喜を。
「あっ……ああっ……」
昇る。
亜理紗が昇っていく。
熱く冷え切った、融解する氷が亜理紗の足もとから頭の先へ向かって彼女を官能の氷像へと変えてゆく。
灼熱の絶対零度で砕け散る、お伽噺の憐れな姫君。
「いくよ、亜理紗……準備はいいかい?」
僕は送信ボタンを亜理紗に向けて見せてやる。
これがスイッチだ。
送信と同時に彼女は果てるだろう。
「嫌……駄目……お願い……」
画面に僕の指が触れる。
可愛らしい送信音。
そしてもうひとつ。
「ああっ……ああああああああっ……助けてっ! ああっ……」
根元まで深々とディルドに自らを貫かせた亜理紗の絶叫。
ベッドの縁に手をかけていた彼女の体はその瞬間、直立に近い姿勢にまで跳ね上がった。
快感の頂点のあまりの高さに意識を失う直前、彼女はもう一度つぶやいた。
「……助けて」
それは誰に向けての言葉か。
僕? それとも他の誰か……。
今、彼女が頭に思い浮かべて自分を犯させていた誰かに求めたものなのか。
僕にはどちらでも同じ事ではあるけれど。