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催眠玩具
第7章 新しい人生

 それに応えて私の体を荒々しくまさぐる高城さんの手……。

 緩めのワンピースの隙間から手を入れて、あるいはたくし上げ、ずり降ろし、私の姿を淫らな女神の化身に変えてゆく。

 愛しい人の指で乱暴に割り裂かれた果肉の裂け目から美汁がこぼれ、その掌の上で発酵する。

「どんどん出てくるよ……淫ら汁だね……亜理紗の作るいやらしいお酒だ」

 少年に煽られて、高城さんに愛されて、私は全身を震わせた。

「あああっ……」

「愛してる……亜理紗……僕は……いやらしい亜理紗が好き……」

 かけられた暗示を呟く高城さん。

 私の喘ぎ声を肴に、その美酒で潤した唇がうなじに押しつけられた。
 それは耳の裏へと這い上がり、熱風の吐息で私を果てのない闇夜の空高くへと吹き上げる。

 どこかに飛んでいってしまわないように、たったひとつだけ手に握り締めていたものにすがると、背に回された腕が私を力強く引き戻してくれた。

「亜理紗……ううっ……亜理紗……」

「高城さん……」

 私たちはお互いを、手の中で、腕の中で、確め合って。

 ああ、ああ!

 確かに私は待ち望んでいた。

 体の下の男を味わい貪るこの時を。
 愛する男に食まれる悦びを。

 こうなる事を。こうする事を。

 でも……でも!

「こんな事……望んでなんかいない……」

 涙が止まらなかった。
 泣きながら私は高城さんにしがみついていた。

 止めようのない情動に衝き動かされて、片手に彼を握り締めながら。

「亜理紗……」

 切なげに私を見つめる瞳は間近。
 私の名を呟いたその口も。

「キス……したい?」

 尋ねたのは少年だった。

 こんな風に初めてを過ごしたくなかった。
 誰かを愉しませる見世物のように、愛し合う姿をおとしめらて……。

 それなのに……。
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