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催眠玩具
第8章 ほんとうのこと

「心配しないで、亜理紗……彼を守ることができるよう、亜理紗には新しい暗示をかけてあげる」

 少年が指を鳴らすと、亜理紗の瞳から光が消えた。

「亜理紗は彼のことを考えると、淫らな事を思い浮かべてしまう。これは本当のことだよ……だって、亜理紗は敬の事を愛しているのだから」

「はい……若槻亜理紗は……高城敬を……愛しています……」

「そう。愛しているから、彼のことを考えただけで濡れてしまう。彼の淫らな行為を思い浮かべてしまう。次から次に、次から次に……」

「私は……淫ら……次から……次に……次から……次に……」

「思い浮かべるだけでは我慢できなくなって、触れたくなる。そう……どこにいても……いつでも……彼に触っていいのは亜理紗だけだ。そうだね? 亜理紗が彼に触れてさえいれば、他の女は彼に近づけない……その通りだね?」

「はい……その通り……」

「わかったね……亜理紗が彼を守るんだ。さあ、これで今日の遊びは終わりにしよう。すべてを忘れて眠るんだ。きっと、明日は素敵な一日になるはずさ」

「は……い……きっと、明日は……素敵な一日……」

 おぼろな視界の中で少年の姿が歪んで消える。
 暗闇の中に沈む意識の中で、亜理紗は遠く高城の声を耳にした。

「おやすみ……亜理紗」
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