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催眠玩具
第8章 ほんとうのこと

 降参だとでもいうような、素直な声色だった。

「え……本当に?」

「ああ、言ったよね? 僕は玩具を愛しているって」

 その口調に再び不穏なものが宿る。

「高城敬……亜理紗は貴方に帰って貰いたいそうだ」

 その言葉に高城がふらりと立ち上がる。
 亜理紗は危うく床に転がり落ちそうになった。

「おやすみの挨拶をして帰るんだ……おっと、乱れた格好のまま帰っちゃ駄目だよ……ちゃんと服を直して。そうそう……でないと捕まってしまうからね」

 いきり立つペニスをのろのろとした動作でズボンの中にしまうと、高城はそのままおぼつかない足取りで玄関へと向かう。

 その背中を見つめながら、少年が呟いた。

「……もっとも、明日、捕まるかもしれないけれど。いや、早ければ今夜にも、かな……」

 そして亜理紗に向かってニッコリと微笑む。

 このまま……暗示を残されたまま返されたら……。

「駄目っ! 高城さん……」
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