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陽炎 ー第二夜ー
第3章 願わくば花の下にて
「鷺?鷺じゃないか⁉︎」
ある冬の日。
町を歩いていた鷺とるいは、声を掛けられる。
「その声、八尋か?」
「そうだよ。久しぶりだね。元気そうで何よりだ。そちらは、鷺のいい人?」
ふわりと花が咲くような、艶やかな笑顔。
あまりの美しさに、るいは少し気後れし、鷺の袖を引く。
「鷺、こちらは?」
「八尋ってんだ。昔の仲間だよ」
「仲間…」
「可愛いお嬢さんじゃないか。立ち話もなんだし、時間があるならそこの茶店で茶でもどう?もうすぐ八つ時だし、団子でも食べない?」
「いいな。るいも、茶の一杯くらいは大丈夫だろ?」
「まぁ、そりゃ別にいい、けど」
「じゃあ決まりだ。」
八尋はまたふわりと笑って、茶店に向かって歩いて行った。
席に通され、向かい合って座る。
「あ、あの。お姉さん」
黙っていたるいが、口を開く。
「お姉さん?八尋、お前女のカッコしてんのかよ⁉︎」
「シッ」
八尋は唇に立てた人差し指を当て、鷺を制した。
「大きな声出さないで。人に聞こえるだろう?今日は買い出しに来てるんだ。買い物する時はこのカッコが便利なんだよ。」
「何だそれ」
「….いいから見てな。何頼む?」
八尋はるいに微笑みかけた。
ある冬の日。
町を歩いていた鷺とるいは、声を掛けられる。
「その声、八尋か?」
「そうだよ。久しぶりだね。元気そうで何よりだ。そちらは、鷺のいい人?」
ふわりと花が咲くような、艶やかな笑顔。
あまりの美しさに、るいは少し気後れし、鷺の袖を引く。
「鷺、こちらは?」
「八尋ってんだ。昔の仲間だよ」
「仲間…」
「可愛いお嬢さんじゃないか。立ち話もなんだし、時間があるならそこの茶店で茶でもどう?もうすぐ八つ時だし、団子でも食べない?」
「いいな。るいも、茶の一杯くらいは大丈夫だろ?」
「まぁ、そりゃ別にいい、けど」
「じゃあ決まりだ。」
八尋はまたふわりと笑って、茶店に向かって歩いて行った。
席に通され、向かい合って座る。
「あ、あの。お姉さん」
黙っていたるいが、口を開く。
「お姉さん?八尋、お前女のカッコしてんのかよ⁉︎」
「シッ」
八尋は唇に立てた人差し指を当て、鷺を制した。
「大きな声出さないで。人に聞こえるだろう?今日は買い出しに来てるんだ。買い物する時はこのカッコが便利なんだよ。」
「何だそれ」
「….いいから見てな。何頼む?」
八尋はるいに微笑みかけた。