この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
陽炎 ー第二夜ー
第3章 願わくば花の下にて
「勿論、頭領にはそこまでしなくていいと、無理するなといつも言われていたけれど。私は元々男娼あがりだし、男に抱かれることも別に何とも思っちゃいない。
それで仕事が上手くいくなら…頭領の役に立てるなら易いものだった。」

「……」


言葉を失う鷺に、八尋は尚も畳み掛ける。

「何解せない顔してるの?相手が男に興味ある奴ばっかじゃないだろって?それでもやりようはある。
身体の一番弱い部分を押さえちまえば、男なんて簡単なもんさ。何なら試してみる?
私の舌は別珍のようだと言われてるんだよ?
三十数える間に、極楽に逝かせてやるよ。」

挑戦的に吐き捨てた八尋に、鷺は眉を顰める。

「…一体、何があった…?
そりゃ俺らの仕事はお前の上げてくる情報にかかってた。その事に俺の配慮が足りなかったのは認めるよ。
…でも、少なくとも俺の知ってるお前は、仲間にそんなこと言うヤツじゃなかった…何かあったなら、話くらい聞かせてくれよ。力になるなんて偉そうなこた言えねぇけどよ、なんか出来るかも知れねぇじゃねぇか。
それとも、もう俺の事なんか仲間とも思っちゃいねぇか?」

鷺は今にも泣き出しそうな顔だった。

八尋は自嘲的な笑みを浮かべる。

「…ごめん。こんなこと言うつもりじゃなかった…ただ、色々あってさ。ちょっと疲れてるんだ。
そこにきてお前らがあんまり幸せそうだったから、ちょっと灼けただけ。」

「猫ちゃんと、なんかあったのか?」

「ううん。何も。サチとは何も無いよ。何にも、ね…」

八尋は冷めた茶を飲み干し、立ち上がる。

「さ、私もそろそろ帰ってやらないと。サチが待ってる。ここは私が払っとく。鷺、またね。」

それだけ言い残し、八尋は去っていった。

鷺は、沈痛な面持ちで冷めた茶を飲んだ。

/72ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ