この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
弓月 舞 after story 集
第2章 初詣に行きましょうか
「お前は、凰鳴の番犬女…っ」
「……」
やっと気付いたか
──…と言ってやりたかったが、そのあだ名に反応するのは癪( シャク )だ。
「お、俺達に何の用だよっ」
茜のことを思い出したらしい彼等は、明らかに彼女に怯えていた。
「お前達に用なんてない。ただ…その女性がどう見たって迷惑がっているだろう」
「わたし…?」
その女性は、突然現れて自分を庇う謎の着物少女をそっと見上げた。
茜は安心させようと軽く目配せを返す。
背が低く華奢で大人しそうなその女性は、おそらく三つ、四つほど茜より歳上であろうが……
どうも梗子と似た雰囲気を持っているので、放っておけない。