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弓月 舞 after story 集
第2章 初詣に行きましょうか
「あの…ッ」
「ふふっ…、さっきの男の子はあなたのお友達?」
「…ぇ?や、違います。あいつ等との間に友情なんてないですから。(あるのは因縁だけ)」
「そうなの…」
「それよりあなたは大丈夫でしたか?」
「ええ…わたしは平気です。ありがとうございました」
男から奪った絵馬を、せめて目立ちそうな場所に掛けながら、茜は女性に気遣いを見せた。
「ああいうのは相手にしたら駄目ですよ」
「そうよね…わかってはいるんだけど…」
「今日はひとりですか?」
「いいえ、二人で来たんです。たぶん向こう側…」
「──…俺はここだ」
「……っ」
突然の声に二人が振り向くと、ジャケット姿の男が絵馬を持つ女性に目を向けて立っていた。