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弓月 舞 after story 集
第2章 初詣に行きましょうか
胸の前で腕を組み、眉間にシワを寄せ…その黒髪の男は不機嫌そうだ。
「絵馬の奉納にどれだけ時間をかけている…」
「ごめんなさい…、ちょっと手間取って」
「──…届かないのか?」
彼は女性から絵馬を受け取ると、一番上の隙間にそれを掛けた。
「掛ける場所が見当たらないなら……さっさと俺を呼びに来い」
「うん…そうしますね」
「…行くぞ」
女性は腕を掴まれて引っ張られていく。
はにかみ笑いで茜に会釈をする女性が、怒られて凹んでいるように見えたから少し気の毒だった。
男達にからまれていたのだと、教えるべきか
茜が口を開きかけたその時──
「お汁粉……欲しいんだろ」
男が女性に問いかけた。