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弓月 舞 after story 集
第2章 初詣に行きましょうか
「面倒だがもらいに行くぞ。混む前に並ぶ」
「匠さん…」
「お前は甘いものに目がないからな…ったく」
「…、はい…//」
──…そこまでの会話が、茜にも聞き取れた。
人混みに消えていく二人を無言で見送り、複雑な気持ちになる。
“ 私はまだ子供なのか…!? ”
男の態度が高圧的で気になるが、二人を包む幸せなオーラが見えてしまったことは否定できない。
あれはあれで……大人の恋愛というものなのか。
「難しいな…」
「──何が?」
「…ッッ!?、…篠田か…っ」
いつの間にか零が後ろにいる。
「青崎校のおバカさん達は上手く追い払ってたね」
「…ああ…まぁ、な」
「──で、さっきのカップルが羨ましいの?」
「…見ていたのか?」
「うん」
彼等の立ち去った方向を見ながら、零が頷いた。