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弓月 舞 after story 集
第3章 もしも企画《 教師編 》第一弾
「もう一度だ。俺も日が暮れるまで付き合ってはやれない。早く泳げるようになれ」
「ぷはっ‥。(なんて理不尽な…)」
他にも数人が残されると思っていたのに、彼女の読みははずれてしまった。
控え目な性格の彼女は言い返すこともできず、言われたとおりすぐに顔を沈める。
底を蹴ってけのびをしてから、両手をかいてクロールを始めた。
“ いち、に…… ”
パッ
頭でタイミングを合わせながら、息継ぎをする。
“ いち、に ”
パッ
“ いち、…にっ ”
プハッ!
「……ハァ」
泳ぐ彼女をプールサイドから見下ろす市ノ瀬は、その様子に溜め息をついていた。
彼女のクロールは動きが固くて、息継ぎをしているはずなのに上手く呼吸ができていない。
15mそこらで、柚子はまたもや力尽きて足をついた。