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弓月 舞 after story 集
第3章 もしも企画《 教師編 》第一弾
そんなことより、救世主の登場だ。
二人が言い合っている間に少しでも体力を回復させようと、柚子は深呼吸を繰り返した。
「矢崎さん」
「フー…、はっ はい!」
「戻りますよ」
「え、いいんですか…?」
少し遠くで市ノ瀬と向き合っている三上が、彼女に声をかけた。
いつもの柔らかい声で──。
「今日は帰りなさい」
「おい、何を勝手なことを」
帰ってもいいと言う三上に、当然ながら市ノ瀬が口を挟んだ。
「関係ないだろう…、早くここから出ていけ」
「俺は彼女の担任だから部外者じゃないし、それにこれが補講だなんて認められない」
「あ、あの…三上先生」
「いいんだよ、矢崎さんは黙っていて」
「はい…」
救世主どころか神様かもしれない。
柚子は事の成り行きを見守ることに。