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弓月 舞 after story 集
第3章 もしも企画《 教師編 》第一弾
そしてそれを脱ぐ。
“ …!?”
下のジャージも脱ぎ捨てると、市ノ瀬は海パン姿になった。
“ …??? ”
いったい何がわかったのか。
柚子の頭にはクエスチョンマークしか浮かばない。
状況を飲み込めない彼女をよそに、市ノ瀬は水しぶきを上げてプールの中に飛び降りた。
「…ハァ、水に入る時は、足から順に少しずつ慣らしていくって…授業では教えている筈なのにね」
彼を見下ろす三上は、再び溜め息をついたがその表情は満足そうだ。
市ノ瀬はさっさと柚子の隣までくると、彼女の腕を掴んで三上を見上げる。
「今日中…必ず、矢崎のクロールを完璧にする」
「……」
「お前が補講する必要はない。こいつの体育は俺が受け持っている、手は出すな」
「…そう、なら宜しく頼むよ」
それだけ言って、三上は立ち去ってしまう。
「…ぇ」
どうやら彼は
救世主でも神様でもなかったようだ……。