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弓月 舞 after story 集
第3章 もしも企画《 教師編 》第一弾

「もっと食え…。そして太れ」

「は…はい、そうします…」

思春期 真っ只中の女子高生を捕まえて、この教師は何てアドバイスをするのだろうか。

しかし柚子はいつものように素直に頷いた。



「…クッ、お前」

「なんですか?」


そんな彼女に、市ノ瀬は珍しく笑った。


初めて聞いた笑い声──

柚子は空に目線を向けたまま問いかけた。


「わたし…何か変なこと言いましたか?」

「いや…、ただ…──素直すぎる」

「え…?」

「さっきもそうだろう。俺がやめるなと言えば、体力尽きるまで泳ぎっぱなしで……クッ、このまま放っておいたらどうするのか気になって休ませなかったけどな」

「…そッ// そうだったんですか!? 」

「当然だろう。何も教えずにひたすら泳がせていたんだ。…黙って従うのはお前くらいだ」

「そんな…、酷いです、先生」

「ふん…」


市ノ瀬はいつになく生き生きと語る。

酷い話だが、柚子もつられて笑ってしまう。




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