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弓月 舞 after story 集
第4章 もしも企画《 教師編 》第二弾

保健医とあらば、友人感覚で接してくる。
たまったものではないと、常日頃から市ノ瀬は嫌気がさしていた。
「また後でね!市ノ瀬先生」
「……」
“ 二度と来なくていい ”
市ノ瀬はソファの周りにたまっていた女生徒を追い払い、彼をイラつかせる要素がやっといなくなる。
手の中でもて余していた生徒名簿を、空いたソファに放り投げて
彼は回転椅子に腰を下ろすと、白衣の下に着ているYシャツの首もとを緩めた。
“ 外は地獄だな… ”
カーテンの隙間から射し込んでくる光の強さは、今も外が灼熱地獄であることを証明している。
9月と言ってももはや秋ではない。
真夏の炎天下、そのものか。
ガララっ
「……チ」
「あ、…失礼します」
招かれざる客。
ドアを開けたその生徒は市ノ瀬の存在に気付いて、気の抜けた挨拶を付け足した。

